知っておきたいゴルフ用語: Closely Mowedって？

知っておきたいゴルフ用語: Closely Mowedって？

ゴルフコースの芝事情

ゴルフ場に行くと、一面に緑の芝が広がっていますが、場所によって芝の長さが違うことはご存知ですか？ 一見すると均一な緑色の絨毯のように見えますが、実はフェアウェイ、ラフ、グリーンなど、それぞれに適した長さの芝が植えられています。そして、この芝の長さの違いが、プレーの難易度を大きく左右するのです。

例えば、ティーグラウンドからピンに向かって広がるフェアウェイは、芝が短く刈り込まれています。そのため、ボールはスムーズに転がりやすく、比較的打ちやすい場所と言えるでしょう。しかし、フェアウェイを外れた左右のエリア、いわゆるラフは状況が異なります。ラフはフェアウェイに比べて芝が長く、深く生い茂っているため、ボールが芝に沈み込みやすくなります。そのため、ボールを正確に捉えることが難しく、思わぬミスショットに繋がってしまう可能性も高くなるのです。

さらに、グリーンと呼ばれるパッティングを行うエリアは、最も芝が短く刈り込まれています。グリーン上では、ボールはほとんど転がらず、芝目の影響も受けやすいため、繊細なタッチと正確な読みが求められます。

このように、ゴルフコースの芝の長さは、場所によって戦略的に使い分けられています。芝の長さの違いを理解し、コースマネジメントに役立てることが、スコアアップへの近道と言えるでしょう。

Closely Mowed とは

– 短く刈られた場所、Closely Mowed とはゴルフコース上で「Closely Mowed」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは、文字通り「短く刈られた」場所を指す言葉です。では、具体的にどれくらいの短さかというと、フェアウェイと同じくらいに刈り込まれた場所のことを指します。一見、何気ない言葉に思える「Closely Mowed」ですが、かつてのゴルフ規則においては、重要な意味を持っていました。ゴルフボールを打つ際、ボールが芝生に少し食い込んでしまうことがあります。この現象を「プラグ」と呼びますが、以前のルールでは、このプラグが発生した場合、Closely Mowed の場所にある場合にのみ救済を受けられました。つまり、ラフなど芝が長く伸びた場所では、たとえボールがプラグになってしまっても、救済されずにそのままプレーを続けなければならなかったのです。例えば、ティーショットをミスしてしまい、ボールがフェアウェイではなくラフの奥深くに行ってしまったとします。運悪くボールはプラグの状態になってしまいました。この場合、以前のルールでは、ラフは Closely Mowed には該当しないため、そのまま打たなければなりませんでした。しかし、もし同じ状況がフェアウェイで起こったとしたら、フェアウェイは Closely Mowed なので、救済を受けることができ、ボールを拾い上げて、別の場所に置くことが許されていたのです。このように、Closely Mowed かどうかは、プレーヤーが不利な状況から救済を受けられるかどうかを分ける、重要な要素でした。しかし、近年のルール改正により、この Closely Mowed に関するルールは撤廃されました。

新ルールにおける Closely Mowed

2019年にゴルフ規則が大きく変わり、多くのルールが分かりやすくなりました。その中でも、芝が短く刈り込まれた区域「クロースリーモーン」に関するルール変更は、プレーヤーに大きな影響を与えました。

以前は、ボールがクロースリーモーンにある場合、そこから直接打つか、ペナルティを受けてボールを動かすかの二択を迫られました。しかし、新ルールでは、「クロースリーモーン」かどうかに関係なく、ボールが芝に深く埋まった状態「プラグ」になっていれば、罰なしで救済を受けられるようになりました。

これにより、プレイヤーは芝の長さにとらわれることなく、より公平な条件でプレーできるようになりました。例えば、フェアウェイを外してラフに入ったとしても、「プラグ」になっていれば罰なしでボールを動かすことができるため、以前よりも戦略の幅が広がります。

ただし、ゴルフ場によっては、ローカルルールとして「クロースリーモーン」の場合のみ「プラグ」の救済を認めるといった独自のルールを設けている場合があります。そのため、プレーする際には、事前にローカルルールを確認しておくことが大切です。

コース管理と Closely Mowed

ゴルフコースの景観を語る上で、芝の長さは重要な要素です。特に、短く刈り込まれた区域は “Closely Mowed” と呼ばれ、見た目の美しさだけでなく、コースの管理状態や戦略性を示す指標として、プレーヤーに様々な情報を提供します。

Closely Mowed は、そこに至るまでの入念な管理の証と言えるでしょう。短く均一に刈り込まれた芝は、プレーヤーに快適なプレー環境を提供するだけでなく、コース全体の美観を高め、高級感を演出します。

さらに、Closely Mowed は戦略的なコース設計にも深く関わってきます。例えば、ティーグラウンドからグリーンまで広く短く刈り込まれたフェアウェイは、プレーヤーに安心感と飛距離を与え、思い切ったショットを促します。一方で、グリーン周りやフェアウェイバンカー周辺など、Closely Mowed の範囲を戦略的に狭めることで、プレーヤーの正確性を試す難関が出現します。バンカーを越えてグリーンを狙うか、安全にフェアウェイに落とすか、Closely Mowed の範囲がプレーヤーの戦略的な判断を迫るのです。

このように、Closely Mowed は単なる芝の長さの違いを超えて、コース管理の質の高さを示すと同時に、プレーヤーの挑戦意欲をかき立てる、コース設計の重要な要素と言えるでしょう。