プロの戦略を支えるサイモン・メモとは?
- サイモン・メモの誕生かつて日本のプロゴルフ界で活躍した田中秀道プロの専属キャディーを務めていたサイモン・クラーク氏。彼が考案したのが、プロゴルファー専用のヤーデージブック「サイモン・メモ」です。ヤーデージブックとは、ゴルフコースの攻略に欠かせない、いわばコースの設計図のようなもの。グリーンまでの正確な距離はもちろんのこと、グリーンの起伏やハザードの位置など、攻略に必要な情報が事細かに記されています。当時のヤーデージブックは、主にグリーンの起伏を図で示したものが出回っていました。しかし、クラーク氏は、田中プロの戦略をより的確にサポートするため、従来のヤーデージブックにはない、より詳細な情報を盛り込んだ独自のヤーデージブックを作り始めます。それは、まるでコースのすべてを記録した百科事典のようでした。グリーンの起伏を数字で細かく記録するだけでなく、風向きや天候、過去の試合での経験など、あらゆる要素を考慮した情報が書き込まれていました。この詳細な情報量は、まさに田中プロの頭の中をそのまま再現したかのようでした。このクラーク氏の献身的な姿勢と、詳細な情報が詰まったヤーデージブックは、たちまち多くのプロゴルファーの注目を集めることになります。そして、その効果は絶大でした。田中プロは、サイモン・メモを駆使した戦略によって、数々の試合で輝かしい成績を残すことができたのです。こうして、クラーク氏が田中プロのために作成したヤーデージブックは、「サイモン・メモ」という愛称で呼ばれるようになり、多くのプロゴルファーから支持されるようになりました。現在でも、その伝説は語り継がれ、多くのゴルファーの憧れの的となっています。