懐かしのクラブ「ブラッシー」

懐かしのクラブ「ブラッシー」

ブラッシーとは

– ブラッシーとはゴルフクラブには、ドライバーやアイアンなど様々な種類がありますが、その中でも「ブラッシー」と呼ばれるクラブをご存知でしょうか。ブラッシーとは、現代のゴルフクラブでいうところの2番ウッドのことを指します。ウッドクラブの中でも特に歴史が古く、かつては多くのゴルファーに愛用されていました。その名の由来は、クラブヘッドの底の部分に真鍮が使用されていたことに由来します。真鍮は英語で「Brass」と言い、そこから「Brassie」と呼ばれるようになったと言われています。かつてのゴルフコースは、現在のように整備されておらず、芝も長く生い茂っていました。そのため、当時のゴルファーたちは、飛距離よりも芝の上を滑らせるように打てるクラブを求めていました。ブラッシーは、現代のクラブに比べてヘッドの角度が大きく、芝の上をスムーズに滑らせることができたため、当時のゴルファーにとって非常に使い勝手の良いクラブだったのです。しかし、ゴルフコースの整備が進み、芝が短く刈り込まれるようになると、より飛距離が出るクラブが求められるようになりました。それに伴い、ブラッシーは次第に使われなくなり、現在では見かけることが少なくなったクラブの一つと言えるでしょう。現代のゴルフクラブと比較すると、ブラッシーはヘッドの形状や素材が大きく異なります。ヘッドは木製で、現代のメタルウッドに比べて重く、スイートスポットも狭いため、現代のゴルファーにとっては扱いが難しいクラブと言えるでしょう。それでも、ブラッシーはゴルフの歴史を語る上で欠かせない存在です。ゴルフ博物館などで見かける機会があれば、ぜひその歴史と重みに触れてみてください。

ブラッシーの特徴

ブラッシーは、ドライバーに次いでロフト角が小さく、その名の通り、ボールをより遠くへ飛ばすことを目的としたクラブでした。かつては競技においても重要な役割を担っていましたが、現代のゴルフではフェアウェイウッドにその座を譲っています。
現代のフェアウェイウッドと比較すると、ブラッシーのヘッドは非常に小さく、スイートスポットも狭いため、正確にボールを捉えることは至難の業でした。そのため、当時のゴルファーは高度な技術を要し、まさに熟練の技を持つプレイヤーのみが扱えるクラブだったと言えるでしょう。
さらに、素材の違いもその難しさに拍車をかけていました。現代のクラブではチタンやカーボンなどの素材が主流ですが、ブラッシーはパーシモンと呼ばれる木材で作られていました。
パーシモンは非常に硬い素材であるため、現代のクラブに慣れ親しんだプレイヤーにとっては、その打感の硬さに驚くことでしょう。ボールを力強く遠くに飛ばすためには、この硬い素材と格闘し、その特性を最大限に活かす卓越した技術が必要とされました。
このように、ブラッシーは現代のクラブとは異なる特徴を持つ、扱いの難しいクラブでしたが、当時のゴルファーにとっては憧れの存在であり、その技術の高さを示す象徴でもあったのです。

ブラッシーの衰退

ゴルフクラブは技術の進歩とともに、大きく様変わりしました。かつては木製のクラブが主流でしたが、今ではチタンやカーボンといった、軽くて反発力の強い素材が使われるようになりました。これらの素材によって飛距離が飛躍的に伸び、より遠くへボールを飛ばせるようになったのです。特に、ドライバーと呼ばれるクラブの進化は目覚ましく、初心者でも200ヤード以上飛ばせることが珍しくなくなりました。

このような技術革新は、ゴルフクラブ全体に及びました。アイアンと呼ばれるクラブでは、ヘッドが大型化し、スイートスポットと呼ばれる、ボールがうまく当たる部分が拡大しました。そのため、多少芯を外しても、以前のように大きく飛距離をロスしたり、方向が大きくずれたりすることが少なくなりました。つまり、ミスに強くなったのです。

こうした変化の中で、ひっそりと姿を消していったクラブがあります。それが「ブラッシー」です。ブラッシーは、かつてドライバーの次に飛ぶクラブとして、多くのゴルファーに愛用されていました。しかし、素材の進化やクラブ設計の自由度が高まったことで、ドライバーの飛距離が伸び、フェアウェイウッドと呼ばれる、より打ちやすく設計されたクラブが登場したことで、その役目を終えることになりました。現在では、アンティークショップなどで見かけることの多いブラッシーですが、かつてのゴルフ界を支えた名クラブとして、その功績を称えたいと思います。

現代ゴルフへの影響

かつてゴルフで使われていたブラッシーというクラブは、現代のクラブに比べると扱いが難しく、使いこなすには高い技術が求められました。しかし、ゴルファーたちはこぞってブラッシーを使いこなし、その技術を競い合ったのです。ブラッシーの登場は、ゴルファーの技術向上に大きく貢献したと言えるでしょう。

現代のゴルフクラブでブラッシーの系譜を受け継ぐのが、フェアウェイウッドです。フェアウェイウッドは、ブラッシーの設計思想を受け継ぎつつ、素材や技術の進化により、より使いやすく進化を遂げました。例えば、ヘッドの素材にはチタンやカーボンなどの軽量で強度が高い素材が使われており、より遠くへボールを飛ばすことが可能になりました。また、シャフトの素材や設計も進化し、スイングの安定性やヘッドスピードの向上が実現しました。

このように、ブラッシーは、ゴルフクラブの進化の歴史を語る上で欠かせない存在です。そして、その影響は現代のゴルフにも脈々と受け継がれています。現代のゴルファーが容易にボールを遠くに飛ばせるようになったのも、かつてブラッシーを使いこなそうと技術を磨いた先人たちのおかげと言えるでしょう。