ロングアイアン

ゴルフクラブの中には、その独特な形状から親しみを込めてあだ名で呼ばれるものがいくつかあります。その中でも「タラコ」は、特に年配のゴルファーにとっては懐かしい響きを持つ愛称と言えるでしょう。「タラコ」とは、その名の通り魚のたらこに似た形状をしたロングアイアンのことです。 ロングアイアンは、現在のゴルフクラブセットではあまり見かけなくなりましたが、一昔前までは一般的なクラブでした。 「タラコ」の特徴は、なんと言ってもそのぽってりと丸みを帯びたヘッド形状にあります。現代のアイアンと比べるとフェース面も広く、ボールを拾いやすい構造になっています。そのため、スイートスポットが広く、多少芯を外しても安定したショットを打つことができました。また、当時のコースコンディションやボールの性能を考慮すると、高い弾道でグリーンを狙える「タラコ」は、非常に使い勝手の良いクラブだったと言えるでしょう。 しかし、時代の流れとともにゴルフクラブの素材や技術は進化し、より飛距離が出てコントロールしやすいクラブが登場してきました。それに伴い、「タラコ」のようなロングアイアンは、次第にゴルフバッグから姿を消していきました。 それでもなお、「タラコ」という愛称は、往年の名プレーヤーたちの活躍とともに、多くのゴルファーの記憶に刻まれています。そして、その独特の形状と打感は、現代のクラブにはない魅力と懐かしさを私たちに教えてくれるのです。